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昭和三十年一月二十日号(東京内外新聞社)30円

 うち続く発禁処置でエロ雑誌界は壊滅状態である。特に昭和三十年はひどかった。「奇談クラブ」発行禁止、「風俗科学」廃刊、「風俗草子」廃刊、レイプ・変態・性器描写はすべて禁止。おまけに売春禁止法が成立(施行は三十二年)。世は「時計の針が逆に回り出した」時代。
 カストリ雑誌、エロ雑誌はほとんど消え去り、青少年たちは「平凡」や「明星」のゴシップ雑誌を読むことで欲情を発散するしかなくなった・・。
 この「内外旬報」も塩抜きラーメンのような味わいである。おまけに肝心のシーンは伏字だらけ。作者の名前が出ないのは摘発されたときのため?



『白人の鮮血で染めたマニラ市街』(作者不明)
 日本兵の蛮行を紹介する特集。中国、南方戦線、そしてフィリッピンの三つの話がある。ここではフィリッピン編を紹介する。
←こんな場面はない

『猛火の中に接収』
 マニラが日本軍のために焼かれたのは、昭和十七年一月ニ日の黄昏、午後五時ごろのことだ。黒煙が空を覆い幾十條かの火災は市街の各所から立ち昇り、まさに、この世の終わりをおもわせた。これが非武装都市、無防備都市で日本軍の行った最初の鬼畜の行為であった。

 次いで、行った無神経きわまる行為は、三千五百人の在留邦人と入れ替わりに、マニラ在住の外人系市民を、マニラ市内のハイスクールに幽禁したことである。その多くは、エスコルタ街に住む、善良無垢なる人々であった。商業と貿易関係に携わる非戦闘員であつた。が、日本軍は、第五列のおそれ多大なりとして拉致し、抑留を命じたものであった。

『第二の悲劇』
 文字通り着の身着のままの、抑留生活が始まった。マニラは落ちたが、戦争は終わつたのではない。そして、ぼつぼつ、日本兵の無神経な行為が、例によつて彼らを苦しめ始めたのだ。第一に食料の不十分である。第二には、施設の不親切である。あちこちで、マラリア病の、あの、悪寒から訴へるうめき声が聞こえ始めた。
 そして、日本への抑留所医務勤務の看護兵の、非道な振る舞いが起こった。

『身代わりの人身供養』
 エスコルタ通りX十番街にする、「フィリッピン貿易会社」社員リナツアント氏家族のうち、令嬢のロナーラが、このマラリアに罹った。すると奇跡的に、日本兵がきて、医務室に連行してくれた。くれた筈である。わかい娘と知って、小柄な、この猿のような日本看護兵の眼が光つたというものだ。
「お前は外に出て居よ」
 そう云つて、ついて行つた女中は、医務室の外へつき出された。
 しばらくして、(これはおかしい?)と直感した女中は強引に部屋の中に飛び込んだ。ロナーラは医務室から隣の寝室へ連れ込まれて
仰向けに倒されていた。女中はマニラ生まれのフィリッピン人であったが、令嬢を身を挺して逃がし、代わりに自分のからだを、看護兵のためにふみにぢられることになつた。

『映画スター犯さる』
「この中に、ハリウッドの女優が、いるそうだぜ」
 そんな噂が、監視兵詰所で出た。聖林から、戦争直前のマニラ市へ観光旅行に来ていた、映画スターがいたのだ。外国映画スターには、さっぱり明るくない日本兵は、どの顔も同じように見える外人の群れから、探し出すことは困難だつたが、どこをどう手探つて行ったものか、かなりの日本看護兵が、これをモノにしたという評判が、やがて、しばらく経つておこつた。
 ピー(軍設用慰安所)買ひも満足に行けないような、乏しい日本兵のすることだから、日本の土諺の「タダより安いものはナイ」を実地に行って、監視兵であり、看護兵であることを役得におもつて、乱行をつづけていたことだけは、本当らしい。

『闇夜強姦』
 ある夜、バリケードのところで、日本監視兵が射殺された。調査の判明しているところは、この日本監視兵は、銃をバリケードに立てかけて、下ズボンのボタンを外している。そして、顔面ところに、引つ掻かれた痕が残つていた。
 そうかと思うと、パラケニア河のほとりにある、部落の娘がバリケード近くまで接近していきて、闇夜日本兵に発砲された。おどろいた娘のからだに、日本兵は、猛然と馬乗りになつた。闇夜にうかんだ情欲である。・・・・・
 銃声に、他の日本兵がかけつけて来たときには、
もうこの監視兵は、○○○○○○○○立ち上がつていた
 娘は、絞殺された。しかし、記録上は射殺ということになつた。

『日本兵の○上死』
 安曽兵長は、慰安所で知り合つた友人の波川看護兵の勤務所へ遊びに行き、たまたまそこに来合はせていた、ジュリアンナという十七の少女の姿態に、ふつと妖しい気持になつた。
 ジュリンアンアは、家族のために、薬をとりに来たのだ。うしろから、とつぜんに彼は躍りかかつた。
「アッ」
 と云つてジュリアンナは後をふり向いた。安曽の眼は、猛獣の様に、ギラギラと異様に輝いている。
 無言で、ジュリアンナは、抵抗した。彼女のしなやかな体が、弓のようにのけぞつた。
「くそ!」
 安曽兵長は、思い切り力を込めると、ジュリアンナを傍のベッドに押し倒した。そして強引に引きチ切る様にして、裸にして了つた。
 裸にされた女は弱い。ぐつと抵抗する力が抜けて、ジュリアンナの体は、安曽兵長にはがい締めにされ、安曽は、久しぶり抱いた女体であるし、外国人の素晴らしいヴォリュームに、
まるでけだもののように○○○○○○○法悦○の中に○○とけ込ませていつた・・・
 −が、われに返つた彼女は、じぶん○○○の上で、この日本兵が、冷たくなつているのを発見して、仰天した。
 安曽兵長はマラリヤに感染していた心臓が弱っていたのだった。軍医の診断書により戦病死ということになつた。
 乱行の日本兵に、自業自得があつたように、やがて日本軍全体にも、運命の没落がぼつぼつそれから見舞つて来やうとしていた。

『青年社長と女秘書』(作者不明)
 放蕩社長の犠牲になった秘書の悲劇

 戦後の尖端を切つたのは、有名な光クラブを筆頭した青年社長であろう。彼らは、札ビラを切り、美人の秘書を従えて、社交界をノシ歩いた。そこに当然、喜劇も起り悲劇も起つた!

 銀座裏の某ビル内の工作会社の若社長・金作(二十七歳)はすでに妻子あるも、金を湯水のように使い『銀座の殿様』を自ら任じている
始末の悪いアプレ放蕩児だ。(注:アプレとはフランス語の「アプレ・ゲール(戦後)」から。当時の流行語)
 文京区に住む幸子(二十三歳)は女子大卒の美貌の女性である。幸子は金作が募集した女秘書に百数十名の中から選ばれたのだ。しかも英会話は得意だし、自動車の運転が出来るから秘書としてはもつてこいだ。

 最初は酒も飲めなかつたが、次第に酒量を増し、酔えばすぐに「踊りましよう」と、その紅潮した頬を男の頬にすりつけ、その堅くしまつた腰を男に預けることによつて、如何に好色な四十男の重役どもが性的昂奮状態を現すかを直ぐに知ってしまった。そして、適度に彼らを昂奮させたころを見計らつて金作社長は契約書に印を押させるのだつた。
 月俸は二万五千円をもらいさらに契約成立時には特別賞与として社長出入りの洋服屋に洋服を注文したりした。

 一か月後の土曜の午後、幸子は金作に誘われて初めて熱海から箱根へ赴いた。
「ああ、きようの宴会はお流れだよ。仕方がない。君と一杯飲んで、映画でも見に行くか」
 ところが酔ってしまった金作は寝かせてほしい、と横になつた。彼を起こそうとした幸子に・・・



 その時、突然、社長の両手が伸びると、彼女の腰に手を廻してグツと引きつけた。
「アラ」
 と叫んだまま、幸子の身体はもろくも崩れて社長の上に折り重なつあ。社長の右手が素早く幸子の首筋を捉えると、もうその唇はガツと塞がれ、幸子はその舌を吸われていた。瞬時もがいたが、それは果敢ない抵抗であつた。酔いが羞恥をかなぐり捨てさせ爛熟した二十三歳の肉体は言い知れぬ官能の虜となつて、ただゼイゼイとあえぐだけだつた。
「誰か来るといけないから」
「誰も来ないよ、ベルを押さなけりゃ」
 どてらの前がすつかり乱れ、いつの間にかその膝に金作の膝が割り込み、彼女は社長に組み敷かれていた。
「声を立てますよ」
「ああ、出来るだけ大きな声でな」
「まあ、憎らしい」
 社長は唇を盗んでしまうと、もう自信たつぷりだつた。
「僕は君を好いている、な、いいだろ、これ及んで若い娘じやアなし、ジタバタすると却つてみっともないぜ、出来るだけ面倒をみて上げるから、心配せんで、な」
「・・・・」
 何とか冷静に構えて危機をすりぬけようとしたが駄目だつた。再び唇を吸われるともう官能のうづきを、どうしようもなかつた。いつの間にか煌々たる電灯の下に帯紐を解かれ
温泉に磨かれた艶々しい肌が一糸も纏わずの裸形となつて投げ出されていた。

 こうしたことがあつて以来、二人は昼日中でも社長室で相擁して唇を合わせるようになつた。彼女の官能は急に目覚めて、社長のあの逞しい肉体を恋うた。だが、不思議と社長は再び彼女の肉体を求めようとはしなかつたのである。そして、彼女のもとに解雇通知が送られてきた。彼女は見習い期間であるため社員への採用を拒否されたのだ。なんという屈辱であろうか悔しがった幸子だったが、翌月、彼女は月のものを見なかつた。そんなことは従来も度々あつたので大して気にもしなかつた。だが翌月もまた翌月も彼女がようやく不安に煽られ始めた頃、肉体は遠慮会釈もなく妊娠の徴候を見せはじめた。

 社長にも会えない幸子は、
「そうだ、この子はキツと生んでみせる。この子の顔さえみれば、彼のきつと父性愛に目ざめて呉れるに違いない。あの方は遊び呆けているけれど、あの日、あの時の情愛、私の愛情さえ判つてくれたら、きつと愛情を呼び戻して呉れるに違いない」
 そう決心し、涙を拭いた。

 しかし、生まれた赤ん坊を抱いて社長に会った幸子は、「それは僕の子供という証拠はない」と冷たく突っぱねられるのだった。さらに警察に訴えても・・・幸子が他の会社の重役と付き合っていたという証言のため相手にされない。

 華やかな女秘書の美名に憧れて、豪華な夢も束の間、醒めれば悲しき夜の天使というお定まりのコースを辿つた女性は戦後数え知れない程あろう。・・と終わっている。


映画「風と共に去りぬ」が初めて日本公開。
上の漫画でもセックスシーンは
文字が隠されているのがわかるだろうか?ここまで厳しいのである(まるで戦前だ)。




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